「していただけますと幸いです」の使い方|依頼・お願いのことばとクッション言葉【文例つき】
お願いメールを書いていて、「〜していただけますと幸いです」を1通に3回使ってしまった経験はありませんか。
丁寧なのに、なぜか読みにくい。実は依頼のことばには「強さの段階」があって、使い分けると文章がすっと整います。現役のオンライン秘書(秘書検定2級)が、実務で使っている型をまとめます。
依頼のことばは「強さの3段階」で使い分ける
| 言い方 | 強さ | 使う場面 |
|---|---|---|
| 〜のほど、よろしくお願いいたします | 標準 | 通常の依頼。返してもらう前提のもの(書類の返送・確認など) |
| 〜していただけますでしょうか | やや柔らかい | 相手に判断の余地があるお願い。日程の相談など |
| 〜していただけますと幸いです | いちばん柔らかい | 相手の厚意に頼むお願い。急ぎでないもの、任意のもの |
「幸いです」は「してもらえたら嬉しいです」という意味なので、実は強制力がいちばん弱い言い方です。締め切りのある必須のお願いに使うと、「任意なのかな」と受け取られることもあります。必ずやってほしいことは「〜のほど、よろしくお願いいたします」と言い切るほうが、むしろ親切です。
クッション言葉は「1通に1〜2個」まで
依頼の前に置く緩衝材、いわゆるクッション言葉です。
- お手数をおかけしますが — 相手に作業をしてもらうとき万能
- 恐れ入りますが — お金・訂正など言いにくい話の前に
- ご多忙のところ恐縮ですが — 相手が忙しいと分かっているとき
- 差し支えなければ — 断る余地を渡したいとき(任意のお願い)
便利なので全部の文に付けたくなりますが、多用すると本題が埋もれます。1通のメールに1〜2個まで。いちばん言いにくい一文の前にだけ置くのがコツです。
期限は書くほうが、実は親切
「お手すきの際にご確認ください」——優しく見えて、秘書の実務ではあまり使いません。期限のない依頼は、相手のToDoリストの中で永遠に後回しにされるからです。
- 「恐れ入りますが、◯月◯日(◯)までにご返送いただけますでしょうか」
- 「◯日までにお戻しいただけますと、その後の手配がスムーズです」
期限と、できれば「なぜその期限か」を添える。相手は優先順位を判断しやすくなり、リマインドの回数も減ります。期限を書くのは急かすことではなく、相手の段取りを助けることです。
「させていただきます」の使いすぎに注意
「確認させていただきます」「送付させていただきます」——丁寧にしようとして全部「させていただく」になっていたら、少し整理どきです。
「させていただく」は本来、相手の許可や恩恵があるときの言葉。自分が普通にやることは「確認いたします」「お送りいたします」で十分丁寧です。全部を「させていただく」にすると、文が長くなるうえ、かえって回りくどい印象になります。
そのまま使える:書類をお願いするメールの文例
件名:【ご依頼】◯◯書類のご返送のお願い
◯◯様
いつもお世話になっております。◯◯の石渡です。 先日お渡しした◯◯の書類について、ご記入のうえご返送をお願いいたします。
・ご返送期限:◯月◯日(◯) ・ご返送方法:本メールへの添付にてお戻しください
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。
依頼内容・期限・方法を箇条書きで分けるのがポイントです。文章の中に埋め込むと、どれか1つは必ず見落とされます。
まとめ
- 依頼のことばは強さの3段階。必須のお願いに「幸いです」を使わない
- クッション言葉は1通に1〜2個。いちばん言いにくい文の前にだけ
- 期限は書くほうが親切。「なぜその期限か」も添える
- 「させていただく」は許可・恩恵があるときだけ
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