お断りメールの書き方|角を立てない断り方と言い換え【文例つき】
受け取ったメールを開いたまま、返信できずにいる。お受けできないことは決まっているのに、「どう書けば失礼にならないか」が分からなくて手が止まる。
断るのは、伝える内容そのものより、書き出しと言い回しで迷う場面です。現役のオンライン秘書(秘書検定2級)が、断りメールの組み立て方と、そのまま使える文例をまとめます。
断りの返事は、迷ったまま置かない
お断りの返事で一番つらい思いをさせるのは、実は言い回しではなく、返事が来ないことです。
相手はその返事を待って、次の予定や別の相手への依頼を決められずにいます。お受けできないと分かった時点で伝えるほうが、相手は動けます。
書きにくい返事ほど、文面を練るより先に「お受けできません」の一行を決めてしまうと、あとは型に沿って埋めるだけになります。
断りメールの基本の型
どの場面でも、並べる順番は同じです。
- お礼(声をかけてもらったこと自体へ)
- クッション言葉
- 結論(お受けできない、見送らせていただく)
- 理由(簡潔に。ぼかしてよい)
- 代替案か、今後につなげる一言
- 結びのおわび
順番で大事なのは、お礼を先に置くことと、結論を後ろに回しすぎないことです。理由を長々と書いたあとで結論が来ると、読む側は「結局どちらなのか」を探しながら読むことになります。
「お断りします」は、そのまま書かない
「お断りします」は、意味は正しくても、文面にすると強く響きます。ビジネスの文書では、次のような言い方に置き換えます。
| 伝えたいこと | 使う言い方 |
|---|---|
| 引き受けられない | お受けいたしかねます/ご期待に沿いかねます |
| 今回は見送る | 今回は見送らせていただきます |
| 遠慮したい | 遠慮させていただきます |
| 参加できない | 欠席させていただきます/今回は失礼いたします |
| 対応できない | ご対応が難しい状況です/お引き受けが難しく存じます |
「いたしかねます」は、「できません」の丁寧な言い方です。「できかねます」も同じ意味で使われますが、改まった文面では「いたしかねます」のほうが収まりがよくなります。
「〜させていただきます」は、相手の許可を得て行うことに使う言い方です。断りの場面では「見送らせていただきます」「遠慮させていただきます」のように、多く使われています。ただし一通の中で何度も重ねると回りくどくなるので、一度にとどめます。
クッション言葉で、結論の前に一拍置く
結論の前に一言はさむと、同じ内容でも受け取り方が変わります。
- 大変ありがたいお話ではございますが
- せっかくのお声がけをいただきながら
- あいにくではございますが
- 誠に心苦しいのですが
- ご期待に沿えず申し訳ございませんが
依頼をするときのクッション言葉は、「していただけますと幸いです」の記事にまとめています。お願いのときと断りのときでは、選ぶ言葉が変わります。
クッション言葉は、ひとつで足ります。重ねるほど本題が遠のいて、かえって読みにくくなります。
理由は、どこまで書くか
断りの理由は、正直に全部書く必要はありません。書きすぎると、かえって角が立ちます。
書いてよいのは、相手が納得でき、反論の余地を残さない範囲です。
| 場面 | 書き方の例 |
|---|---|
| 手が回らない | 現在お受けしている業務の都合で、十分な対応が難しく |
| 予算が合わない | ご提示いただいた条件では、お受けするのが難しく |
| 内容が合わない | 弊社(私)の対応範囲から外れており |
| 社内で決まらなかった | 社内で検討いたしました結果 |
| 予定が合わない | あいにく当日は所用がございまして |
避けたいのは、「ほかの方にお願いすることにしました」「もっと条件のよいお話があり」のように、比較の結果を具体的に伝えることです。事実であっても、相手には残ります。
一方で、条件さえ合えば次があるときは、そこだけははっきり書きます。「◯月以降であれば承れます」「◯◯の範囲であればお手伝いできます」と添えると、断りが終わりの合図になりません。
そのまま使える:依頼をお断りする
仕事の依頼を、今回は受けられないとき。
件名:Re: ◯◯のご依頼につきまして
株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯様
お世話になっております。◯◯の石渡です。
このたびは◯◯のお話をいただき、誠にありがとうございました。
大変ありがたいお話ではございますが、現在お受けしている業務の都合で、ご希望の時期に十分な対応が難しく、今回は見送らせていただきたく存じます。
せっかくお声がけいただきながら、ご期待に沿えず申し訳ございません。 ◯月以降であれば承れる見込みですので、その折にまたご相談いただけましたら幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
時期の相談で決着しそうなときは、断り切らずに候補を出す手もあります。日程の出し方は日程調整メールの記事をどうぞ。
そのまま使える:見積り・金額が合わないとき
金額を理由に断るときは、金額そのものを責めない書き方にします。
◯◯様
お世話になっております。石渡です。
お見積りをご用意いただき、ありがとうございました。
社内で検討いたしました結果、今回は予算の都合により、見送らせていただくことになりました。 ご対応いただいたにもかかわらず、このようなお返事となり心苦しく存じます。
内容につきましては大変わかりやすく、今後別の案件でご相談させていただくことがあるかと存じます。 その際はどうぞよろしくお願いいたします。
こちらが受ける側で、提示された金額ではお受けできないときは、条件を添えると相手が判断できます。
ご提示いただいた条件では、ご期待の内容までお引き受けするのが難しい状況です。 ◯◯までの範囲であれば、ご予算内でお手伝いできるかと存じます。いかがでしょうか。
そのまま使える:営業メール・売り込みを断る
面識のない相手からの営業メールは、返信しないという選択もあります。返すのであれば、短くて構いません。
件名:Re: ◯◯のご案内
◯◯株式会社 ◯◯様
ご連絡いただきありがとうございます。
ご案内いただいた内容につきまして、現時点で導入の予定がございません。 あいにくではございますが、今回は見送らせていただきます。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
今後の連絡を控えてほしいときは、一文足します。
恐れ入りますが、今後のご案内につきましてもお控えいただけますと幸いです。
「検討します」「機会がありましたら」は、社交辞令として受け取られ、次の連絡を呼びます。予定がないのであれば、その旨を書くほうがお互いのためです。
そのまま使える:お誘いを断る
会食や懇親会など、都合がつかないとき。
◯◯様
お誘いいただきありがとうございます。
あいにく当日は所用がございまして、今回は失礼させていただきます。 せっかくお声がけいただきましたのに、申し訳ございません。
次の機会にはぜひご一緒させてください。 当日、皆さまでよいお時間をお過ごしくださいませ。
理由は「所用」「先約」で足ります。詳しく書くほど、内容の重さを比べられてしまいます。
断ったあとに、関係を切らないために
断りのメールで終わりにしないための一言があります。
- 次につながる条件を書く(時期・範囲・金額のどれかひとつ)
- 相手の手間に触れる(お見積りのご用意、資料のご準備など)
- 見送った理由を相手の落ち度にしない
断ったあとに別の案件で連絡するときは、前回のお礼から入ると自然につながります。お礼の言い方はお礼メールの記事にまとめています。
お断りメールで、やらないほうがいいこと
- 返事を先延ばしにする。相手は次の相手に依頼できず、待つ時間が長くなります
- 「難しいです」だけで終わらせる。可能性が残っているのか、完全に無理なのかが伝わりません
- 理由を細かく書きすぎる。説明が長いほど、言い訳に見えてしまいます
- 「今回は」を付けずに断る。今後もすべて受けられないという意味に読まれます
- 謝りすぎる。「申し訳ございません」を何度も重ねると、かえって重たい文面になります
- 断りの中で条件交渉を始める。断るのか、交渉するのかを、一通の中ではっきりさせます
一度受けたあとに取り消す場合は、断りではなくおわびの文面になります。書き方はお詫び・訂正メールの記事をどうぞ。
まとめ
- 断る返事ほど、決まった時点で伝える。待たせることが一番の負担になります
- 型は「お礼→クッション言葉→結論→簡潔な理由→今後の一言→おわび」
- 「お断りします」は「お受けいたしかねます」「見送らせていただきます」に言い換える
- 理由はぼかしてよい。ただし条件次第で次があるなら、そこだけは具体的に書く
- 「今回は」を添えると、次につながる断りになります
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